あいかわ公園 ツツジの図鑑

あいかわ公園で見られるツツジをまとめた図鑑です。ツツジは自生種から園芸種まで様々な種類があり、似たようなものがとても多いです。図鑑を片手に見比べながらお散歩していただけると幸いです。用語としてクルメツツジを原種とするもの(クルメ系)、日本にもともと存在するもの(自生種)、シャクナゲというツツジ科の花と交配したもの(交配種)が出てきます。現在45種類が載っています。

図鑑 ピンク色のツツジ

コチョウノマイ(クルメ系・二重咲き)

場所:工芸工房村の上り坂 
時期:4月上旬
小輪で二重咲きが特徴的な花です。コチョウノマイを見かけたら上からも確認してみましょう。たくさん花をつけるため絨毯のように辺り一面を彩ります。
ピンク色のツツジの中でも二重咲きのため見分けやすいです。クルメ系の中でも特におすすめです。

あいかわ公園では毎年比較的花付きがよく、面状に咲いた姿を見ることができます。 


ハルイチバンシャクナゲ交配種)

場所:パークセンター前や工芸工房村の上り坂 
時期:3月下旬~4月上旬
鮮やかなピンク色と紙風船のような角ばった形が目立ちます。光を当てているかのような輝きなので遠目からでもほかのツツジと色の違いが分かります。ほかのツツジよりも先に咲くためハルイチバンと呼ばれます。シャクナゲ交配種はお団子のように花をつけ、ぼわっとした印象を受けます。

なんとなく伝わるでしょうか? 図鑑作者の一番のおすすめはこのハルイチバンです。ぜひ生で見て欲しいと思います。

工芸工房村から森のわたり橋にかけての通路やパークセンター付近では植えられてまだ若いハルイチバンが植えられており、春先に園内一番ともいえる美しいピンクの空間を作り出しています。



ヨシノシャクナゲ交配種)

場所:パークセンター前 
時期:3月下旬
ハルイチバンと同じく春に先駆けて咲くツツジです。花付きが良く、埋め尽くすようにピンクの花をつけるため人気高い種類です。ミツバツツジなどのあいかわ公園で美しく斜面を彩る種類が見ごろになると、ヨシノの花は終わっています。
逆にそれがいい方に働くことがあります。

この時期に咲いているツツジはシロゲンカイやベニバナアセビなのですが、シロゲンカイとヨシノは並んで咲いており、ベニバナアセビは花の斜面左上と離れています。つまり3月に花を利用する虫たちが集まりやすいのですね。

越冬を終えた蝶や早春に現れる蝶と美しいツツジのコラボレーションが簡単に見られるのでお勧めです。 花付きを見ての通りハルイチバンなどと同じ交配種です。



キリン(クルメ系・二重咲き)

場所:パークセンター前から花の斜面へ向かう階段 
時期:4月中旬
緑とピンク色の対比が美しい種類です。二重の花を高い密度でつけるため、ピンクのじゅうたんのような美しい景色を楽しむことができます。二重なことから同じピンク色の中でもすぐに見分けられる種類です。
数年前までは美しく斜面入口を飾っていたのですが、近年はシカによる食害を集中的に受け、花はわずかしか見られていません。
食べられながらも美しい花をわずかに咲かせます。一筋縄ではいかない自然界の闘いを覗くことができますので、ぜひ一度パークセンター先の階段エリアのキリンを覗いてみてほしいです。




ミツバツツジ(自生種)

場所:花の斜面 
時期:4月上旬
あいかわ公園で最も目立つツツジです。背丈が2mオーバーと高く、遠目からでもはっきりと姿を見ることができます。
背丈の伸びるスピードが速く、ほかのツツジの視界を邪魔してしまったり活発な子たちです。
春らしい豪快な姿を楽しめます。
おしべの数が5本ならミツバツツジ10本ならトウゴクミツバツツジです。秋には名前の由来の3枚の葉が紅葉を見せ、春も秋も楽しめるツツジです。
ミツバツツジのピークは園内のクルメ系ツツジとはずれており、ミツバツツジが終わるとようやくクルメ系がピークを迎えます。
この時期のあいかわ公園は数日ごとに最盛を迎えているツツジが入れ替わるので、とても見ごたえがありますよ。



トウゴクミツバツツジ(自生種)

場所:花の斜面左上側 
時期4月上旬
ミツバツツジと同じ時期に斜面を彩ります。関東地方で多く見られるためトウゴクと名づけられました。あいかわ公園ではミツバツツジの背丈が高いので、1m程度の背丈でピンク色の大型の花をつけていればトウゴクと見分けられます。おしべの数は抜け落ちているものも多いので、いくつかの花で数えてみましょう。

サクラの時期が合えば淡いピンクと濃いピンクの2種類を楽しむことができます。花の斜面下の方です。



アヤヒメ(クルメ系・一重咲き)

場所:花の斜面(風の丘付近) 
時期:4月上旬    
 ミツバツツジよりずっと濃いピンク色の花をつけ、葉の緑との対比が美しい種類です。切れ込みが深く、5枚の花弁がはっきり目立ちます。おしべが白いため、あいかわ公園のピンクのツツジではそこで他の種類と見分けられます。老いの目覚めという似た種類があるのですが、明確な区別点が分からないためアヤヒメと老いの目覚めを分けていません。

花の斜面中央付近の風の丘への階段の手前辺りにはアヤヒメと後述のマヤフジンがたくさん植えられている場所があります。アヤヒメもシカの食害の激しい種類であるため、植え込みの中心辺りでしか花は咲きません。しかしキリンほど深刻ではないため毎年見ることができます。



マヤフジン(クルメ系・一重咲き)

場所:花の斜面(風の丘付近)  
時期:4月上旬~中旬
 アヤヒメと同じく明るめのピンク色が目立つ品種です。あいかわ公園のピンクのツツジの中では最も小さい種類です。色合いは、ハナアソビとアヤヒメを混ぜたような色合いです。

マヤフジンは花が小さく、アヤヒメよりも赤色に近いです。加えておしべが赤みを帯びます。写真でもポイントが見られます。
どうやらほかの種類と比べると刈込耐性が高いらしく、マヤフジンと赤色のチクシベニは安定した美しい密度の花を咲かせてくれます。写真映えを狙う方に非常におすすめの種類となります。




イッテン(クルメ系:一重咲)

場所:工芸工房村の上り坂
時期:4月中旬~下旬
淡いピンク色の小ぶりな花をつけます。おしべが極端に短く、ぱっと見はめしべしかついていないように見えます。花の内側をのぞいてみると、付け根のところにまとまっている様子を見ることができます。




クロフネツツジ(自生種)

場所:花の斜面中央辺り 
時期:4月上旬
 淡いピンク色の大型の花を1輪つけることからツツジの女王とも呼ばれます。クルメ系と比べてみると大きさは圧倒的です。
海外から持ち込まれたツツジの1種で、当時は日本にやってくる外国船を黒船とよんだことから名付けられています。




キシツツジ(自生種)

場所:工芸工房村の上り坂 
時期:4月上旬
西日本でよく見られるツツジです。キシの名の通り川岸の岩場などに生えます。 似ているモチツツジとは近いお友達ですが、キシツツジが雄しべ10本であるのに対してモチツツジは5本であるところで判断できます。

パークセンターから入ってすぐの花の斜面入口では花弁が6枚あるキシツツジを見ることができます。株自体が6枚咲きのようで、複数見られました。


モチツツジ(自生種)

場所:花の斜面中腹
時期:4月中旬~下旬
花の付け根に強い粘り気を持つためモチの名がつけられています。ツツジの仲間は付け根がべとべとするのですが、実際に触れてみると確かにモチツツジのべたつきはとても強いです。優しく触れて試してみてくださいね。キシツツジと非常に似ているのですが花から出ている雄しべの数に注目してみましょう。モチツツジは雄しべが5本でキシツツジは雄しべが10本あります。
写真のように淡い色と濃い青空を撮ると色が映えておススメです。

ネバつくのはこの部分です。 乾燥し始めた糊みたいな粘土で、触れてみるととても面白いですよ。
こちらの種類も最近は刈込の影響で花数が減っています。 全く咲かないわけではないので見かけたら触れてみましょう。花期のピークはやや遅めで、毎年4月中~下旬ごろです。




レジナ(クルメ系・一重咲き)

場所:工芸工房村付近
時期:4月上旬
 あいかわ公園の物はまだ草丈が低く目線より低い高さで観察できるのでお勧めの品種です。薄いピンクを中心にグラデーションのようにピンクの色が変わります。早咲きの品種なので観察時期に注意しましょう。

花の先端に濃い色が付いていて綺麗ですね。



西洋シャクナゲ(園芸種)

場所:花の斜面中央
時期:4月~5月にかけて
花木の女王と呼ばれるほどの美しさは本物で、思わず「おぉ」と感想が漏れてしまうような美しさです。それは白、薄いピンク、濃いピンクの3色が作り上げるグラデーションとそれを引き立てる平面に広げた緑の大きな葉が大きく影響を与えていると思います。花は大きく、まとまって付くためとてもおススメです。
日本シャクナゲも存在しますが葉が内側に巻く特徴から見分けられるとされています。






カルミアキャンディ

場所:パークセンター前
時期:5月中旬~下旬
お菓子のような名前の響きが可愛い種類です。カルミアは実は種類が少ない種であり7種類しかありません。ピンク色のキャンディの色合いは淡いピンク色ではかない雰囲気を漂わせています。他のカルミア同様花付きはかなり良く、団子状にたくさん咲いている様を見ることができますが、花期が5月中旬以降と遅いので注意が必要です。



カルミアサラ

場所:パークセンター前
時期:5月中旬~下旬
カルミアたちは同じ場所に植えてあります。サラはキャンディとレッドを混ぜたような色をしています。それでいて花の内側と外側で色が違うという点が面白いですね。このような2色咲きの花は個性が強く、自分好みのお気に入りの花を探す楽しみがあります。花たちが持つそれぞれの個性を探してみてくださいね。


ロージー(八重咲き)

場所:パークセンター前
時期:5月上旬~中旬
5月中旬ごろに咲く八重咲のサツキです。八重咲は髪飾りのように繊細な花をしており、植栽されたばかりでまだ背丈が低いこととあいまって作り物のような花に見えます。同じ時期にパークセンター前のオオサカヅキも見ごろを迎えているため、辺りはにぎやかになります。

図鑑 赤色のツツジ

赤色のツツジ


チクシベニ(クルメ系・一重咲き)

場所:パークセンター正面の階段 
時期:4月上旬
濃い赤色を持ちます。一重咲きの赤色系の中では見分けやすい種類です。見分けるポイントとして、花の中の雄しべの数に注目してみましょう。チクシベニには7本の雄しべがあります。おしべが短いため、めしべの長さが目立ちます。 花付きはクルメツツジらしく、周辺を赤一色に染め上げます。

チクシベニは公園の赤系のツツジの中でも特に色が濃いです。赤系のツツジは園内に多数みられるのですが、その中でも断トツの濃さです。

奥に咲くのは紫系のコチョウノマイです。色が全然違いますね。花の斜面下のパークセンター側ではたくさんのチクシベニが見られます。
刈込への耐性が高いらしく、毎年比較的多数の花をつけてくれます。





リュウ(クルメ系・二重咲き)

場所:工芸工房村の上り坂 
時期:4月上旬
赤とオレンジを混ぜたような色合いを持ちます。花中央と外側で色が異なるものが多く、見た目以上にカラフルな印象を与えてくれます。赤色系の中では二重咲きのため簡単に見分けられます。チクシベニとは赤色の系統が異なり、こちらは色味が明るいオレンジのような印象です。

花の後ろに有る緑色のガクが花びらのように変化しています。ヒリュウの裏側を見てみましょう。

工芸工房村から森のわたり橋へ進む道に絶好の撮影スポットがあります。じっくり見られるのでおすすめです。





ホンキリシマ(キリシマ系・一重咲き)

場所:パークセンター正面階段 
時期:4月上旬
小輪の花を咲かせます。こちらは雄しべが5本なので、似たチクシベニと判別できます。公園にも生えている自生種ヤマツツジの品種改良種で、キリシマ系は似たものが非常に多いです。ホンキリシマはヒリュウの色に近く、真紅色と呼ぶにふさわしい色合いです。
ホンキリシマは園内での数がとても少ない種類で、園内ではパークセンターから花の斜面に登ってすぐの場所にしか見られません。
付近の樹木が大きくなった影響で日光が減り、最近は花付きが減少傾向にある種類です。




ヒノデキリシマ(キリシマ系・一重咲き)

場所:工芸工房村の上り坂 
時期:4月上旬
ホンキリシマが真紅ならヒノデキリシマは赤とピンクの中間の色合いです。また、ヒノデキリシマのほうがホンキリシマより大きい花をつけます。

大きさよりも色の違いに注目すると分かりやすいかもしれませんね。
園内ではヒノデキリシマは数がとても少ない種類です。見られるのは一カ所で、工芸工房村から上り坂を上がっていくと左手に見られます。
ホンキリシマとヒノデキリシマは同じキリシマ系のツツジなのですが、違いが分かりにくい種類です。








ヤマツツジ(自生種)

場所:花の斜面左上  
時期:3月下旬~4月上旬
山地に自生する赤とオレンジ色の混ざり合った美しいツツジです。交配種のツツジの原種として利用されてきました。ミツバツツジほどではありませんが大型の花をつけるため非常に目立ちます。園内で美しいヤマツツジの集団を見るためには花の斜面をずいぶんと登る必要があります。パークセンターから風の丘の方を見て左上の方の花の斜面を目指しましょう

森のわたり橋付近の階段の当たりではヤマツツジ、ハナアソビの2種が時期になるとにぎやかに斜面を彩ります。この付近のヤマツツジは特に淡い色をしており、色の比較におすすめです。

赤系のツツジにはアゲハチョウの仲間が来ていることがあります。写真はキアゲハですがツツジの色とよく似あいますね。




オンツツジ(自生種)

場所:パークセンターから花の斜面入口 
時期:4月上旬~中旬
ミツバツツジと同様に3枚の葉を開きます。色は差があるものの明るいオレンジに赤色が入ったような色で目立ちます。自生種ではありますが、分布は西日本です。そのため、神奈川では普通に見ることはできません。
色味がかなり独特な種類のため、レンゲツツジと並んで実物の色を見て欲しい種類です。
パークセンターから既に見える場所なので、少し足を運んでみましょう。






ハナアソビ(クルメ系・一重咲き)

場所:森のわたり橋付近  
時期:4月上旬
似たマヤフジンやアヤヒメよりも大きめの花を咲かせます。花が大きい分雄しべも長いです。おしべとめしべの長さが同じくらいなのもわかりやすいです左にわずかに映るのがホンキリシマの色です。ハナアソビが赤紫に近い色なのが分かります。
似た種類としてはハナアソビより小型なものの色合いが似ているマヤフジンが挙げられます。花の大きさが一回り違うので比較してみましょう。
森のわたり橋付近ではハナアソビとマヤフジンが隣接しています。

おすすめ撮影スポットは森のわたり橋付近です。ミツバツツジヤマツツジ、トコナツなどとうまく写真を撮るとお気に入りの一枚が撮れるかもしれませんね。
写真の奥はミツバツツジです。



レンゲツツジ
(自生種)

場所:花の斜面上部
時期:4月中旬~下旬
あいかわ公園で実際に色を見てほしいツツジNo.1がこのレンゲツツジです。
園内ではレンゲツツジの足元まではいけないので、撮影する場合望遠のカメラや双眼鏡が必要になってしまうのですが、とても綺麗な色合いです。
淡いオレンジの中央とそこから外側にかけて赤色が濃くなる赤系のグラデーションがたまりません。レンゲツツジは自生種で高山に生える植物なのですが、あいかわ公園では元気に育ってくれているようです。

遠目から見ても1発でレンゲツツジだと分かる独特な色合いです。
クルメツツジ系の終わりごろから咲き始めるので、忘れずにチェックしておきましょう。

株数は少ないですが、パークセンター前から花の斜面の入口付近のスロープにもありますよ。


ベニドウダン

場所:花の斜面
時期:5月上旬
ドウダンツツジの園芸種というわけではなく、日本に自生している種類です。ドウダンツツジたちは園芸としてなじみ深いですが自生は珍しい種類です。ベニドウダンの本来の分布は西日本の太平洋側とされています。




オオサカズキ(サツキ)

場所:パークセンター前
時期:5月中旬~下旬
最もメジャーなサツキとされ、色々な所に植えられているのを見かけられます。サツキたちは5月中旬~咲くものを指し、ややこしいですがまとめればツツジの仲間です。



サツマベニ(サツキ)

場所:花の斜面
時期:5月中旬
花の斜面に植えてあるツツジたちの中では咲くのが5月中旬頃からと比較的遅い種類です。サツマベニが見頃のころには他のツツジたちは旬を終えているので注意しましょう。大輪の赤花なので迫力があります。




ベニクマノ(サツキ)

場所:花の斜面中央
時期:5月中旬
中輪でサツマベニよりも鮮やかな色合いをしています。花の時期はサツキ系なので5月中旬~と遅いです。オオサカヅキ、サツマベニ、ハカタハクの種類が同じ時期に見られます。




カルミア オスポレッド


場所:パークセンター前
時期:5月中旬
あいかわ公園のツツジが咲き終わったころに紙風船のような可愛い花をたくさんつけます。もともと日本にはない植物で、園芸用に使われています。独特な赤色と花付きの良さから写真映えもする綺麗な花ですが、やってきた虫が雄しべに触れると花粉を出すなど日本のツツジとも似たような性質を持っています。

図鑑 白色のツツジ

シロバナトウゴクミツバツツジ
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場所:花の斜面左上 
時期:3月下旬~4月上旬
関東地方に生えるミツバツツジの仲間なのでトウゴクミツバツツジと呼びます。その白花種です。トウゴクミツバツツジと同じく10本の雄しべを持ちます。ツツジに限らず白花種が偶然生まれることがあります。
園内では植えたばかりなのでまだ小さいのですが、透き通るような白色なのでとても目立つ美しい花です。




シロゲンカイ
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場所:パークセンター前 
時期:3月下旬
自生種であるゲンカイツツジの白花です。ピンク色のヨシノと並んで春に先駆けて咲くため、ほかのツツジが見頃のころには見れなくなってしまいます。
園内のピークは年によって若干ぶれるのですが、3月頭頃に咲き始めて中旬にかけてピークが見られます。
ピンクのツツジ、ヨシノと並んで3月中旬頃の斜面を彩ります。
ゲンカイツツジは自生種ですが、岡山より西でしか見られないため、この辺では自生を見ることはできません。雰囲気はミツバツツジに似ています。
園内では光源氏と言う八重咲のゲンカイツツジも植えられたのでそちらも見てみましょう。




トコナツ(クルメ系・一重咲き)
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場所:工芸工房村の上り坂 
時期:4月上旬
白、ピンク、絞り模様と1つの株で3種の色が発生する魅力的なツツジです。自分好みの色合いを探し始めると止まりません。中でもお勧めしたいのは白地にピンクの柄が入る絞り模様です。写真のように入り方には様々なパターンがありますのでお好みの色を探してみてくださいね。
ツツジを始めとして園芸種では花に様々な模様が入る様を見ることができます。
園内ではトコナツと、鈴の誉れの2種に模様が見られ、絞り模様のトコナツ(まばらに別の色が入る)と底白の鈴の誉れ(花の奥だけ白い)はとてもユニークです。
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トコナツはこのように色が全く異なります。写真の中でもよく見てみると色合いが違いますね。鮮やかな絨毯を見てみてはいかがでしょうか?
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私はこのような美しい絞り模様の花を発見しました。皆様が発見したトコナツと比べてみるとどうでしょうか? 




クレノユキ(クルメ系・二重咲き)
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場所:工芸工房村の上り坂 
時期:4月中旬
 トコナツとともにあいかわ公園の緑の葉を白色に染めます。小さな白花種の中では唯一の二重咲きのため、トコナツと一緒に生えていても簡単にわかります。トコナツが3色のグラデーションを作るのに対してクレノユキは雪が積もったかのような純白さで彩ります。色合いとしてはシロバナトウゴクミツバツツジが似ていますね。
工房村からの上り坂の途中に1ヶ所のみ見られます。色合いからして見つけるのは簡単なので探してみましょう。





ゴヨウツツジシロヤシオ(自生種)
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場所:花の斜面右側 長い階段の手前 
時期:4月中旬
丹沢や軽井沢の方で有名な五枚の葉を持つツツジです。シロヤシオの名で知られる人気の自生ツツジですが、標高が高い所を好むため、あいかわ公園で今のところ咲く株は3つほどです。
場所が少し分かりにくいかもしれません。
ネームブランドからか咲いているだけで上品に感じてしまいますね。花が下向きになるのも特徴の1つです。とてもおススメの種類です。




リュウキュウツツジ セキデラ
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場所:花の斜面入口
時期:4月中旬~下旬
白い大輪の花にピンク色のネクターガイド(蜜の場所を虫へ知らせる模様)が非常に美しい芸術的なツツジです。普通のリュウキュウツツジでは鮮やかなネクターガイドは見られないのですが、セキデラと言う種類では白地に鮮やかな赤い模様が目立ちます。
大きいツツジツツジという植物の特徴を感じやすいです。例えばリュウキュウツツジの葉に触れてみてください。小型のものではわかりにくい虫に蜜を取られないようにするツツジの戦略がきっと感じられるはずです。



ドウダンツツジ
(自生種)
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場所:パークセンター前
時期:4月中旬
ベニバナアセビと同じように下向きで白いつぼ型の花をつけます。春の花よりも秋に真っ赤に染まる葉の方が有名かもしれません。聞きなれないドウダンという言葉は灯台がなまったものとされており、三脚の灯台に姿が似ていることから名付けられています。(結び灯台




ハカタハク(サツキ)
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場所:花の斜面中央
時期:5月下旬
あいかわ公園で最も遅く咲く白花のサツキです。同時期にサツマベニと並んで見られます。花は大きめで一重咲き、模様や色は一切なしの白一色ですがシロバナトウゴクミツバツツジやシロゲンカイと比べるとしっかりした花弁を持つ印象です。白花のサツキの代表格と言われています。

図鑑 黄色のツツジ

ヒカゲツツジ(自生種)
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場所:花の斜面から森のわたり橋にかけての長い階段 
時期:3月下旬~4月上旬
水辺の崖や岩場などを好み、名前の通り日当たりの悪い環境を好みます。ツツジの仲間としては珍しい淡い黄色の花をつけます。控えめなことから和風庭園にも用いられるそうです。f:id:aikawa_park:20200412101834j:plain
模様入りのヒカゲツツジも咲いています。ヒカゲツツジは時期が他のツツジと比べ早い分終わるのも早いです。また、地味な場所に植えてあるため少し見つけにくいかもしれません。





レンゲツツジ(自生種)
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場所:森のわたり橋付近
時期:4月下旬
高地に自生する黄色のレンゲツツジで、国内自生種としては最大の花をつけます。珍しい黄色の花は見つけることができれば幸運のあかしともされています。レンゲツツジたちの色には淡い独特の魅力のようなものがあります。写真では映しきれないレンゲツツジたちの魅力を目で見て感じてみてください。

図鑑 紫色のツツジ

ヒカルゲンジ
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場所:花の斜面入口
時期:2月中旬~3月上旬
白色の図鑑にもあるシロゲンカイと同じく、ゲンカイツツジを品種改良した八重咲(やえざき)の品種です。 八重咲の花は髪飾りなどのシュシュのように花弁が折り重なり、ブーケのような印象を与えてくれます。ゲンカイツツジは自生種ですが西日本の方で見られる種類のため、自生の物を見るのは難しいです。園内のツツジの中でも断トツで早く咲くため、季節には注意する必要があります。令和3年に植えたばかりなのでとてもおススメ!




さざなみシャクナゲ交配種)
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場所:パークセンターから花の斜面への入口 
時期:3月下旬~4月上旬
珍しい色合いのブルー系シャクナゲ交配種です。花のひらひら具合がグラデーションと相まってとても綺麗な印象です。背丈も低くじっくり観察できるため、ツツジ類の写真撮りの練習にもおすすめです。花の時期が少し早いので満開の時期を逃さないように気をつけましょう。令和2年に植えたため、新しい種類です。この色合いはさざなみとクロシオの2種類でしか見ることができません。ぜひ見てみましょう。



クロシオシャクナゲ交配種)
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場所:花の斜面入口、工芸工房村からの坂道
時期:3月下旬~4月上旬
さざなみと同じくシャクナゲとの交配種ですが、より小型です。小型のブルー系ということで人気も高く小奇麗にまとまって咲いてくれるのですが、あいかわ公園では定着が悪く、数株しか花を見ることができませんでした。しかし、現在では工芸工房村からの坂道の途中に1ヶ所まとまって植えてあります。淡い幽霊のような印象を与える美しい花は、3月下旬ごろから見られるので見逃さないよう要注意です。
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鈴の誉(サツキ)
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場所:工房村~森のわたり橋の途中
時期:5月上旬~中旬
サツキの種類の中でも底白(そこしろ)という花の内側が白色になる種類のため、1つの花で2種類の色合いが楽しめます。ツツジの仲間には底白以外にも白色にあるトコナツのように、模様がところどころ現れる絞りが園内では見られます。鈴の誉は花付きが非常に良いためぜひ見て欲しい種類ですが、サツキの時期はクルメツツジなどは終わっているので注意しましょう。5月上旬ごろに満開です。





ドガツツジ(自生種)
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場所:工芸工房村付近
時期:4月中旬~下旬
あいかわ公園のツツジでは珍しい八重咲の品種です。上記の光源氏とヨドガツツジのみが八重咲のため、園内では2/46種しかありません。八重咲の物は花弁が幾層にも重なっており、非常にボリュームのある見た目をしています。早咲きのツツジより少し遅れて咲くので時期には注意しましょう。また、大輪の八重咲は園内では本種のみになります。
以前は工房村付近にのみ植えられていたのですが、森のわたり橋付近などでも新しく植えられたため、多数見ることができるようになりました。




オオムラサキツツジ(園芸種)
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場所:花の斜面
時期:4月下旬
5月に入り始めてから本格的に咲き始める遅咲きのツツジです。名前の通り花はかなり大きく存在感ばっちりです。オオムラサキツツジが見頃のころには多くのツツジが見頃を過ぎています。小粒の花をたくさんつけるクルメ系のツツジを見たい方は4月中旬ごろの来訪がおススメです。
オオムラサキツツジは花壇などでも比較的見られる種類で身近な園芸種です。